老犬介護のおむつの選び方 うんち漏れ・ズレ・かぶれまで完全対策

老犬介護のおむつの選び方漏れ・ズレ・完全対策 老犬介護

犬の平均寿命が延びた今、増える老犬の介護問題
✓「毎日、おしっこやうんちの床掃除で疲れちゃった。いつまで続くのだろう?」
✓「おむつを試したけれど、すぐにズレたり脱げたりうんちが漏れる。うちの子に合うおむつはないの?」
✓「おむつかぶれで真っ赤になっている。清潔にしているつもりなのに、どうしたらいいの?」

一昔前は犬は外の犬小屋で番犬として飼われるのが当たり前でした。
しかし今では大切な家族の一員として室内で一緒に暮らす存在へと変わっています。
生活環境の変化とともに獣医療も進歩し、愛犬と過ごせる時間は以前よりずっと長くなりました。
この10年で犬の平均寿命は約0.6年ほど延びており、愛犬家としては嬉しい一方、それは「シニア期が長くなる」ということを意味します。
年齢を重ねた老犬は少しずつ体と心の変化が訪れ、介護が必要になることも増えてきました。
そして実際に多くの飼い主さんが直面するのが「排泄の悩み」です。
トイレの失敗やうんちまみれの床掃除、飼い主さんがノイローゼ気味になることも。。。
「老犬だから仕方がない」とあきらめてしまう前に、「犬用おむつ」で解決しませんか?

  1. 1.「おむつ」を始める前に知っておきたい3つの大切なこと
    1. 1)「おむつ」の導入を検討する4つのサイン
      1. ①粗相が増えてきた時
      2. ②寝たきりや歩行困難になった時
      3. ③認知症の症状が見られる時
      4. ④飼い主さんの心身の負担が増えた時
    2. 2)まずは動物病院へ。トイレ失敗に隠された病気の可能性
    3. 3)知っておきたい「おむつ」のメリット・デメリット
      1. 飼い主さんにとってのメリット・デメリット
      2. 愛犬にとってのメリット・デメリット
  2. 2.老犬介護「おむつ」の選び方。5つのポイント
    1. 1)【ポイント1】サイズ選び:漏れ・ズレの最大の原因はサイズ違い
      1. ①重要!! 正しいサイズを選ぶ事
      2. ②正確なサイズの計測
      3. ③目安のフィット感
      4. ④定期的なサイズの見直し
      5. ⑤適切なサイズがない場合
    2. 2)【ポイント2】構造で選ぶ:うんち漏れ・横漏れを防ぐ工夫
      1. ①立体サイドギャザー
      2. ②ウエストギャザー
      3. ②しっぽ穴
    3. 3)【ポイント3】素材や機能で選ぶ:デリケートな老犬の肌を守るために
      1. ①肌触り
      2. ②素材
      3. ③吸収力
    4. 4)【ポイント4】形状で選ぶ:テープ式?パンツ式?マナーウェアとは?
      1. ①テープ式おむつ
      2. ②パンツタイプおむつ
      3. ③マナーベルト(マナーウエア)
      4. ④ズレや漏れを防ぐ補助アイテム
    5. 5)【ポイント5】性別で選ぶ:男の子と女の子の体の違い
      1. ①男の子用
      2. ②女の子用
      3. ③男女共用タイプ
  3. 3. 犬の介護用「おむつ」の3大トラブル「ズレる・漏れる・かぶれる」徹底対策
    1. 1)【お悩み1】すぐにズレる・脱げてしまう
      1. ①サイズを再確認する
      2. ②テープ式 or パンツ式を使い分ける
      3. ③サスペンダー・おむつカバーを併用する
    2. 2)【お悩み2】隙間からおしっこやうんちが漏れる
    3. 対策ポイント
      1. ①しっぽ穴のサイズをチェック
      2. ②男の子・女の子用を正しく使う
      3. ③吸収量と滞在時間を見直す
    4. 3)【お悩み3】デリケートな皮膚が赤くなる「おむつかぶれ」
      1. ①対策ポイント
      2. ②通気性の良い素材を選ぶ
      3. ③皮膚バリアを守るケアをする
  4. 4.【体験談】我が家のうんち問題の救世主。うんぽパンツ使用例
    1. 1)老犬シロちゃんのトイレトラブル
    2. 2)動物病院で確認したこと
    3. 3)奇跡の出会い!!うんぽパンツレビュー
  5. 5. よくある質問 Q&A
    1. 1)Q1:「おむつ」は一日中つけっぱなし?
      1. A1: 一日中のつけっぱなしはおすすめできません。
    2. 2)Q2:交換の頻度はどれくらい?
      1. A2: おしっこ1回で交換が理想的です。
    3. 3)Q3:愛犬が「おむつ」」を嫌がります
      1. A3: はじめは多くの犬が違和感を覚えて嫌がります。
    4. 4)Q4:「おむつ」生活で心掛けたいこと
      1. A4: おむつ生活を快適に続けるには、以下の4つがポイントです
    5. 5)Q5:長時間のお留守番の時はどうすればよい?
      1. A5: 長時間留守にする場合は、以下のような対策を組み合わせましょう
  6. 6.まとめ 愛犬と飼い主さんが“穏やかに過ごすためにできること

1.「おむつ」を始める前に知っておきたい3つの大切なこと

「もしかして家の子にもおむつが必要?」その答えは愛犬が送る小さなサインの中に隠れています。ここではそのサインに気付き、適切な準備を始めるためのポイントを解説しますね。

1)「おむつ」の導入を検討する4つのサイン

①粗相が増えてきた時
②寝たきりや歩行困難になった時
③認知症の症状が見られる時
④飼い主さんの心身の負担が増えた時

①粗相が増えてきた時

今までは大丈夫だったのに、トイレ以外の場所で排泄をしてしまうようになった場合です。
トイレ以外の場所で排泄をする原因はいろいろありますが、筋力の低下でトイレまで間に合わなかったり、体の機能が衰えて排泄のコントロールが難しくなっているサインです。

②寝たきりや歩行困難になった時

自由に動けなくなると自力でトイレに行くことができなくなります。
立って排泄ができても途中で尻もちをついてしまう場合や踏んでしまう事もあります。
また寝ている場所で排泄してしまう事も増え、愛犬のベッドや愛犬自身の体を清潔に保つことができなくなります。

③認知症の症状が見られる時

トイレの場所を忘れてしまったり、排泄のタイミングが分からなくなったりします。
認知機能が衰え判断力が低下すると、うんちだと認識できなくなり食糞してしまう事もあり、衛生面や感染症の不安が大きくなります。

④飼い主さんの心身の負担が増えた時

匂いの問題、掃除の問題、帰宅をしたら排泄物で生活環境が汚れているという状況はストレスが増大します。愛犬と飼い主さんの双方の為、ぜひおむつを取り入れましょう。
最大のメリットは生活環境が清潔に保たれるということです。

2)まずは動物病院へ。トイレ失敗に隠された病気の可能性

愛犬のトイレの失敗が続くと、「もう老犬だから仕方ない」とあきらめてしまいがちですが、その背景には病気が隠れている可能性もあります。
たとえば、シニア期になると腎臓の機能が低下し、慢性腎臓病によって多飲多尿になることがあります。
また、糖尿病や服用している薬の影響によっても、同様に排尿量や回数が増える場合があります。
その結果、尿のコントロールが難しくなり、トイレの失敗につながることがあるのです。
このように、排泄トラブルの中には加齢だけでなく、治療や管理によって改善できる病気が潜んでいるケースも少なくありません。
定期的に動物病院で検診を受け、早期に原因を特定することで、適切な治療や対応が可能になります。
「老化だから」と決めつけず、まずは一度かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

3)知っておきたい「おむつ」のメリット・デメリット

おむつはとても便利ですが、状況により使い続けることが難しくなります。
愛犬のおむつに関するメリット・デメリットを飼い主さんと愛犬それぞれの視点から解説しますね。

飼い主さんにとってのメリット・デメリット

<メリット>
①精神的・時間的負担の軽減 ⇒生活環境が清潔に保たれる事によりストレスが軽減されます
②介護負担の軽減 ⇒おむつを使用することで介護の負担が減ります
③外出時の安心感 ⇒外出先で排泄をした場合も、後片付けが楽になります

<デメリット>
①経済的負担 ⇒おむつは消耗費の為、費用がかさみます
②手間の増加 ⇒おむつはこまめに交換し、皮膚ケアをする必要もあります

愛犬にとってのメリット・デメリット

メリット
①精神的ストレスの軽減 ⇒トイレを失敗しても飼い主さんに叱られることがなくなります
②清潔に保てる ⇒おむつをすることにより体が汚れにくくなり衛生的に過ごせます

デメリット
①皮膚トラブルのリスク ⇒おむつかぶれや皮膚炎のリスクがあります
②排泄物による刺激 ⇒排泄物が長時間皮膚に触れることで蒸れやかぶれの原因となります
③摩擦による肌荒れ ⇒サイズの合わないおむつの場合、おむつがこすれたり、肌荒れや炎症を起こすことがあります。サイズが小さいと体を締め付け血行を阻害し、皮膚の負担になることもあります
④不快感とストレス ⇒初めておむつをつける際は違和感からストレスを感じ嫌がったりする事もあります

2.老犬介護「おむつ」の選び方。5つのポイント

初めてのおむつ選び。何を基準に選べばよいか迷いますね。ここではおむつの種類と、それぞれの特徴を説明します。 愛犬の体格や性格に合わせて一番合う種類をさがしましょう。

1)【ポイント1】サイズ選び:漏れ・ズレの最大の原因はサイズ違い

①重要!! 正しいサイズを選ぶ事

おむつが漏れる原因の多くはサイズが合っていないことです。大きすぎると隙間から漏れ、小さすぎると血行不良や不快感の原因になり、愛犬が嫌がって脱いでしまう事もあります。

②正確なサイズの計測

購入前に必ず愛犬の「体重」と「胴回り※1」を計りましょう。
商品パッケージには適応目安が記載されている為、購入前に実際に計ることが大切です。
初めて購入する場合はお試し用の少量パックを購入し、愛犬に合うかを確認してから大容量パックを買うと失敗が少ないでしょう。

※1 胴回りの計測位置:前足付け根と後ろ脚付け根との中間部分の胴回り。商品によっては「ウエスト周り」と記載されていることもあります。
※胴回りのイラストを入れる

③目安のフィット感

おむつと体が当たる部分(お腹周り、足回り、股関節、しっぽ周辺)に人間の指が1~2本程度入るゆとりがある状態が理想的です。

④定期的なサイズの見直し

毛の量や体格の変化でサイズが変わることもあります。特に老犬は加齢により体形が変化し、お尻や足周りの筋肉が痩せる事があります。その為、定期的にサイズを見直し、その時の体形に合った物を選ぶことが大切です。

⑤適切なサイズがない場合

犬種によっては一般的なサイズ表通りに選択しても脱げやすいことがあります。そんな時は犬用のおむつカバーやサスペンダーを使うとよいでしょう。これはおむつが脱げる事を防いでくれるだけではなく、ズレやすいおむつをしっかり支えてくれるので、元気に動き回る場合にも安心できます。
またおむつカバーはお気に入りの柄を選べば、おむつをしているのにおしゃれに見せられますよ。

2)【ポイント2】構造で選ぶ:うんち漏れ・横漏れを防ぐ工夫

老犬用のおむつを選ぶ際には、漏れ防止機能が良いかどうかが重要なポイントとなります。その為、立体ギャザーのようなもれを防ぐ為の構造が備わっているかを確認する事が推奨されています。

①立体サイドギャザー

愛犬の股ぐり部分にフィットする立体的なサイドギャザーは、尿を一か所に集中させる構造になっており、横漏れや蒸れを防いでくれます。
特に寝たきりの場合や、長時間のおむつ使用時には、このギャザーの密着性が漏れ対策のカギになります。

②ウエストギャザー

伸縮性のあるウエストギャザーは愛犬が動いてもずれにくく、おしっこが漏れにくいのが特徴です。しっかりと腰にフィットすることで、おむつ全体の固定力が高まり、歩いている時や寝返りの際の漏れ防止にも効果を発揮します。

②しっぽ穴

しっぽ穴のサイズやフィット感が合っていないと、そこから排泄物が漏れてしまうケースもあります。穴の周囲に吸収体がしっかりあるか、愛犬のしっぽの太さに合っているかを確認しましょう。
多くの犬用おむつのしっぽ穴は大きめに作られている為、大きすぎる場合は穴の一部をサージカルテープで塞いで大きさを調節しましょう。
サイズに合わせて調整できるしっぽ穴付きの商品もあります。

3)【ポイント3】素材や機能で選ぶ:デリケートな老犬の肌を守るために

老犬の皮膚はとてもデリケートで敏感です。長時間直接肌に触れるおむつは、「通気性」「肌触り」「吸収力」の3つの観点から素材や機能にこだわって選びたいですね。

①肌触り

「全面通気シート」等の表記がある製品は、長時間使用しても湿気がこもりにくく、愛犬の肌を快適な状態に保つ工夫がされています。通気性の高いおむつは、蒸れによる不快感を軽減し、皮膚があれるリスクを下げる事ができます。

②素材

肌に優しいコットン素材や、やわらかくフィットする素材でできたおむつがおすすめです。
製品を選ぶ際には、縫い目やゴムのあたり具合も確認しましょう。「ふわさら吸収シート」のように肌触りに配慮した製品もあります

③吸収力

通気性だけでなく吸収力も肌の健康を守る上で重要なポイントです。排泄物が長時間肌に触れること自体が刺激となり、かぶれを引き起こします。
「高性能ポリマー」や「高分子吸収材」を使用し、尿を素早く吸収しゼリー状に固める機能を持つおむつを選びましょう。
「スピード吸収」を特徴とする製品は、排泄後すぐに水分を吸収するため、肌への負担を軽減できます。

4)【ポイント4】形状で選ぶ:テープ式?パンツ式?マナーウェアとは?

老犬の介護やお出かけ時のマナー対策として欠かせない犬用おむつですが、実は様々な形状があります。愛犬の体形や身体の状態、使用目的に合わせて最適な形状を選びましょう。
愛犬の状態(寝たきりか?歩けるか?)、使用目的(介護か、マーキング防止か)、そして飼い主さんの交換のしやすさを総合的に考えて、最適な形状のおむつを選んであげましょう。

①テープ式おむつ

着脱がカンタンで介護に最適なテープ式は、お腹側から背中側に回したおむつをテープで固定する、最も一般的なタイプのおむつです。
種類も豊富で、長時間使用を想定した吸収力が高いタイプや、通気性に優れたタイプなど、様々な製品が販売されています。迷ったら、テープ式おむつを選択しましょう。
寝たきりや歩行が困難な老犬には、愛犬が寝たままでの姿勢でも装着しやすいため、足腰が弱っている老犬の介護に非常に便利です。
頻繁におむつ交換が必要な愛犬にも、着脱がカンタンで何度でもつけ直しができるマジックテープ式のものはサイズ調整がしやすく使用しやすいです。

②パンツタイプおむつ

人間の赤ちゃん用と同じように、足を通して履かせるパンツ形状のおむつです。テープ式に比べてサイズの微調整が難しい製品もありますが、中にはアジャスターでサイズ調整できるものもあります。
まだ元気に動き回る愛犬には、立った状態で足を上げて履かせられるため、素早く装着できます。
活発に動き回る犬におすすめの種類がパンツタイプです。ズレにくく、おむつをはかせたまま元気に走り回っても安心です。

③マナーベルト(マナーウエア)

マナーベルトは主に男の子のマーキング対策として、胴体に巻いて排泄器官をカバーする帯状のおむつです。体につける部分が少ない為、おむつを嫌がる犬でも受け入れやすいのが特徴です。
おしっこのマーキングや粗相に悩んでいる男の子やおむつを嫌がる愛犬への第一歩として取り入れましょう。服などを着るのが苦手な子でも嫌がりにくい傾向があります。胴に巻くだけなので、カンタンに装着できますが、あくまでも尿を吸収する目的のため、うんちには対応できません。本来の介護用おむつとは用途が異なりますが、短時間から慣れさせたい場合には良いでしょう。
ズレやすい場合は、上からバンダナを巻いたり、サスペンダーを利用して固定する必要がありますが、首輪とコーディネートすればかっこよく着こなせるかもしれませんね。

④ズレや漏れを防ぐ補助アイテム

どの形状のおむつでも、愛犬の体形や動きによってはズレや漏れが起きてしまう事があります。そんな時に役立つ補助アイテムをご案内しますね。
おむつカバーやサニタリーパンツは、おむつの上から履かせる事で、ズレを防ぎ、漏れ対策を強化できます。サスペンダー付きの製品は特に脱げにくく、活発な子や体形的に脱げやすい子にはおススメです。
犬用サスペンダーはおむつカバーが脱げてしまう場合に、直接とめて固定するため、しっぽがない子や短い犬種にも有効です。

5)【ポイント5】性別で選ぶ:男の子と女の子の体の違い

犬用おむつを選ぶ際、サイズや吸収力、形状に加えて見落としがちなのが「性別による体の構造の違い」です。男の子と女の子ではおしっこの出る位置が異なるため、性別に合わないおむつを選ぶと、漏れや皮膚のかぶれの原因になりかねません。

①男の子用

男の子は身体の構造上、おしっこがお腹側にかかりやすい特徴があります。その為、お腹側までしっかり吸収体があるものを選ぶと漏れにくいです。
ケアのポイントとしては、排尿時にお腹周りが広く汚れやすい為、肋骨の手前あたりまで毛を短くカットしておくと、お手入れが楽になります。
男の子はおむつが前にズレやすく、漏れの大きな原因となります。サスペンダーや専用のカバーでしっかり固定することで、位置のズレを解消できます。

②女の子用

女の子の場合、排泄器官は尻尾の付け根付近、体の一番後ろ側にあります。その為、しっぽ穴が適切な位置にあり、肛門周りにしっかりフィットするかを確認しましょう。
おむつが身体に密着することで、尿がピンポイントで吸収され、身体が汚れるのを防ぎます。
お尻全体をカバーできる形状のおむつは、排泄物が身体に付着するリスクを減らします。
ケアのポイントとしては、汚れがつきやすい内股や肛門周りの毛を短くカットしておくと、清潔を保ちやすくなります。
ホルモンバランスの変化で尿漏れを起こす事もある為、異常を感じたらすぐに獣医師に相談しましょう。

③男女共用タイプ

市販のおむつには「男女共用」タイプも多く販売されています。共用タイプを選ぶ場合でも、上記のポイントを参考に、男の子ならお腹側を、女の子ならお尻側をしっかりカバーできるかと確認する事が、漏れを防ぐポイントとなります。
一方、介護が進むと排泄時の体制が安定せず、おしっこやうんちが予想外の場所に漏れてしまう事があります。
特に寝たきりの場合おしっこが横から漏れたり、女の子でも前に流れたりする事があります。
性別で選ぶのは基本ですが、愛犬が横になっているときの排泄物の位置を観察し、吸収体がその位置を確実にカバーできるかを最終確認する事が、漏れを伏せぐ最も重要なポイントです。

3. 犬の介護用「おむつ」の3大トラブル「ズレる・漏れる・かぶれる」徹底対策

ここまで老犬の介護におけるおむつの基本的な選び方を解説してきました。
しかし実際に使用してみると「ズレる・漏れる・かぶれる」といったトラブルに悩まされる飼い主さんも少なくありません。ここでは、それぞれのトラブルごとに原因と対策を詳しく解説します。

1)【お悩み1】すぐにズレる・脱げてしまう

犬のおむつがズレてしまう原因の多くは、サイズの不一致や体型との相性の悪さにあります。
特に、腰回りが細い犬や、しっぽが太く上向きに巻いている柴犬などは、おむつが固定しづらい傾向があります。

対策ポイント

①サイズを再確認する

胴回り・腰回り・体重を正確に測定し、メーカーのサイズ表に基づいて選びましょう。
「体重だけ」で選ぶとズレやすくなります。

②テープ式 or パンツ式を使い分ける

活発に動く子には、しっかり固定できるテープ式、 寝たきりの子には、着脱しやすいパンツ式が便利です。

③サスペンダー・おむつカバーを併用する

ズレ防止用の専用ベルトやサスペンダーを使うと安定感がアップします。
特に「寝ているときはズレないのに、歩くとズレる」という場合は、動作中のフィット感が足りていない可能性がありますよ。

2)【お悩み2】隙間からおしっこやうんちが漏れる

「サイズは合っているはずなのに漏れる…」という場合は、フィット感と吸収構造の問題が考えられます。犬の体型や姿勢、寝る時間の長さなどによっても漏れ方は変わってきます。

対策ポイント

①しっぽ穴のサイズをチェック

しっぽ穴が大きすぎると、そこから漏れてしまうことがあります。サージカルテープで微調整したり、おむつカバーを併用するのもおすすめです。

②男の子・女の子用を正しく使う

排泄位置が違うため、性別に合ったタイプを選ぶことで漏れを防げます。

③吸収量と滞在時間を見直す

長時間つけっぱなしにすると、吸収しきれず漏れやすくなります。こまめな交換を心がけましょう。
「寝ているときに横漏れする」という場合は、寝姿勢に合ったフィット感を調整するのがカギです。

3)【お悩み3】デリケートな皮膚が赤くなる「おむつかぶれ」

長時間おむつをつけていると、蒸れや摩擦で皮膚が赤くなったり、かゆみが出ることがあります。
特に高齢犬は皮膚が薄く、免疫力も落ちているため、おむつかぶれは早めの対策が重要です。

①対策ポイント

こまめな交換を徹底する。濡れたまま放置すると蒸れと細菌繁殖の原因になります。

②通気性の良い素材を選ぶ

厚すぎるものより、吸収力+通気性のバランスを意識しましょう。

③皮膚バリアを守るケアをする

おしり周りは清潔・乾燥を保ち、必要に応じて獣医師推奨の保護クリームを使用するとよいでしょう。 かぶれがひどい場合は、おむつの種類を変えるか、医療用パッドや一時的な休憩時間を設けることも有効です。

4.【体験談】我が家のうんち問題の救世主。うんぽパンツ使用例

1)老犬シロちゃんのトイレトラブル

我が家のお婆ワン、シロちゃん。
今ではいびきをかきながら穏やかに眠っていますが、つい2時間前には全身がうんちまみれになり、私も両手にうんちがついて泣きそうになっていました。
シロちゃんは元野良犬さんで、元気な頃は完全にトイレはお外派。家の中で排泄をすることは一切ありませんでした。
しかし、持病の糖尿病による多飲多尿、そして推定15歳という高齢で認知症も進み、寝ている間の粗相が増加。
それでもうんちだけは散歩中にしていましたが、足腰の筋肉が弱くなり、排泄の途中で尻もちをついてしまうことも増えていました。
さらに、シロちゃんは中型犬にしては少しぽっちゃり体型のマシュマロボディー。
量販店でよく見かけるLLサイズのおむつではフィットせず、歩いているうちにすぐに脱げてしまうという悩みもありました。
体型に合うおむつがなかなか見つからず、ズレ・漏れ・脱げのトラブルは日常茶飯事だったのです。
動物病院へ向かう車の中では、おむつをつけてケージに入るのがいつものスタイル。
乗車前にはしっかり排泄を済ませてから出発します。
しかしこの日は、悪い予感が的中しました。。。
病院に到着し、私が受付をしているわずかな時間の間に、シロちゃんは車内でうんちをしてしまったのです。
興奮してケージの中を動き回ったことでおむつがズレ、しっぽ穴からうんちが漏れ出し、足や爪の間、肉球、さらには体中に汚物が付着。
中途半端にお尻からはみ出たうんちがケージの内側にこすりつけられ、全身が汚物まみれになるという大惨事でした。
濡れタオルを準備していたものの、この惨状はどうにもならず、診察室に入ることも断念。
泣きそうになりながら帰宅し、シロちゃんのシャンプーをしてぐったりと疲れ果てました。
老犬の通院はただでさえ気を使うのに、この時ばかりは本当に心が折れそうでした。

2)動物病院で確認したこと

今回の出来事をきっかけに、私はシロちゃんの排泄トラブルについて動物病院で詳しく相談しました。
診察の結果、糖尿病と加齢による身体の変化が複合的に関係していることがわかりました。
もともと糖尿病の影響で多飲多尿の状態にあるシロちゃんですが、さらに年齢を重ねたことで、膀胱や尿道の筋力が低下。
そのため、肛門腺を絞るような刺激でも尿が漏れてしまうという状況になっていたのです。
また、認知症の進行によってトイレのタイミングがわからなくなり、定期的に外に出しても排泄できないことが増えました。
おねしょも増え、毎日ベッドを洗濯しても常に濡れている状態が続いていました。
「お婆ワンになった」とは思っていたものの、老犬の身体がどのように変化していくのかを深く理解できていなかったことに気づかされました。
糖尿病のため定期的な通院は欠かせず、毎回の通院前日には「どうすれば前回の惨状を防げるか」と頭の中でシミュレーションを繰り返す日々が続きました。

3)奇跡の出会い!!うんぽパンツレビュー

そんな時に出会ったのが、いまからご紹介する「うんぽパンツ」です。
うんちをおむつから外へ出して袋でキャッチするなんて、誰が考えたのでしょう。
既存の紙おむつだとしっぽ穴からうんちが漏れ、結果的に身体を汚してしまう。そんな飼い主さんの救世主のうんぽパンツ。ではレビューをしていきましょう。

装着は普通のおむつと同じで至ってカンタン。※公式サイト参照
①うんぽパンツを履かせる前に全体をしっかり広げる
②ベロ上のパーツの先にある「しっぽ穴」にしっぽを通す
③サイドテープを止めたらうんぽパンツの装着完了

あとは愛犬がうんちをしようとするのを待つだけ。
うんちをしようと腰を落とせば、自然とビニール袋が開いてスムーズにうんちをキャッチしてくれます。
しっぽがなかったり、しっぽが短い愛犬、少し足が短いタイプの愛犬も袋の部分をアレンジできるので大丈夫です!!

※ここで写真と動画を入れる
実際にシロちゃんに装着してみましたが、歩くたびに揺れる後ろのビニールを気にする事もなく、しっぽをフリフリご機嫌でお散歩。ウンピングポーズで踏ん張ると見事に開いた袋にストンと落ちてキャッチをしました。
今回の動画ではウンピングポーズの途中でサイドテープが片方剥げてしまいましたが、それでも見事に袋の中にキャッチ。なかなかやるじゃないですか「うんぽパンツ」!!
うんちをキャッチした後も、袋が多少揺れますが、シロちゃんは全く気にせず歩いています。
これなら長時間のお留守番も身体を汚すことなく、飼い主さんも安心できますね。
※楽天アフィリエイト

5. よくある質問 Q&A

1)Q1:「おむつ」は一日中つけっぱなし?

A1: 一日中のつけっぱなしはおすすめできません。

長時間おむつを着けたままにしていると、蒸れや摩擦による皮膚トラブル(おむつかぶれ)や、細菌の繁殖による膀胱炎・皮膚炎のリスクが高まります。

おむつを使用する際は
①お散歩や排泄タイムには外す。
②自宅で飼い主が見守れるときは定期的に外す。
といったメリハリをつけることが大切です。
どうしても長時間の装着が必要な場合は、通気性の良い素材を選ぶ、こまめなチェックと交換を徹底しましょう。

2)Q2:交換の頻度はどれくらい?

A2: おしっこ1回で交換が理想的です。

一般的には6時間を目安に交換する必要がありますが、長時間濡れたおむつをつけ続けると、蒸れや臭いの原因になるだけでなく、皮膚がふやけてかぶれやすくなります。また、うんちをした場合はすぐに交換が必要です。
犬は人間よりも皮膚がデリケートなため、排泄直後のケアと清潔な状態の維持がとても重要です。
こまめな交換=快適なシニアライフと心得ておきましょう。

3)Q3:愛犬が「おむつ」」を嫌がります

A3: はじめは多くの犬が違和感を覚えて嫌がります。

無理に着けるのではなく、少しずつ慣らしていくステップを踏むことがポイントです。
慣らし方のコツは

①おむつを見せる・触らせる → 褒める
②数分だけ着けて、おやつや撫でるなどポジティブな体験と結びつける
③最初から長時間ではなく、短時間からスタートする

また、サイズやフィット感が合っていない場合にも嫌がることがあります。
歩いていてすぐズレる、きつすぎる、しっぽ穴が合っていないといった場合は、サイズ・形状の見直しをしてみましょう。

4)Q4:「おむつ」生活で心掛けたいこと

A4: おむつ生活を快適に続けるには、以下の4つがポイントです

①清潔を保つこと
朝・帰宅直後・夕飯前・寝る前など交換のタイミングを守り、排泄後はお尻周りを優しく清拭にしましょう。

②皮膚チェックを習慣化
赤み・かぶれ・臭いなど異変がないか毎日確認しましょう。

③サイズと装着方法の見直し
シニア犬には特に体型変化はつきものです。定期的に測り直しましょう。

④犬の気持ちに寄り添う
違和感やストレスをできるだけ減らし、安心できる環境づくりを。
おむつ生活は、飼い主の「手間」だけでなく、愛犬の「心地よさ」も大切な視点です。

5)Q5:長時間のお留守番の時はどうすればよい?

A5: 長時間留守にする場合は、以下のような対策を組み合わせましょう

①吸収力が高く通気性の良いおむつを選ぶ
②おしっこ用パッド+おむつの二重構造で漏れ対策
③留守番前にしっかり排泄を済ませる
④室内にトイレシートを敷き詰めておく

可能であれば見守りカメラを設置して、状況を確認できるようにする
ただし、12時間以上の完全つけっぱなしは避けるのが基本です。
長時間になる場合は、信頼できる家族・ペットシッター・介護サービスの利用も検討しましょう。

6.まとめ 愛犬と飼い主さんが“穏やかに過ごすためにできること

老犬の介護は、飼い主さんにとっても愛犬にとっても新しい生活のはじまりです。
今まで幸せな感情をたくさん与えてくれた愛犬に、感謝の気持ちを返す順番です。
戸惑いや不安、切なさを感じる事もありますが、正しい知識とちょっとした工夫で、シニア期の暮らしはぐっと快適になります。
何より大切なのは、愛犬の体形・今の状態にあった「おむつ」を選び、清潔に保つケアを続ける事。サイズや形、素材によってフィット感や快適さは大きく変わる為、愛犬にピッタリのものを見つけることが介護生活をスムーズにする第一歩です。
そして介護も一人で抱え込まないことも重要なポイントです。
苦しくなる前に、便利な介護グッズやおむつを上手に活用したり、家族・病院・老犬ハウスなど、頼れるサポートを積極的に活用しましょう。
もしおむつかぶれが酷くなったり、愛犬の体調や排泄状況に変化がある場合は、自己判断せずに必ずかかりつけの動物病院へ相談してくださいね。
早めの対応が、愛犬の快適な毎日と健康を守ることにつながります。
愛犬と飼い主さん、どちらも無理せず、穏やかで幸せな時間を過ごせますように。
おむつを上手に取り入れて、老介護を前向きに支えていきましょう。

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